会話 肆

会話 肆

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《何をしたか分かっておるのか、貴様》


「...」


《『縁切り鋏』は確かに縁を知る鋏であろう。其れは凡ゆる縁をも切れてしまう三級に収まる呪具ではない。》


「...分かっている」


《分かっている?そんな訳が無かろう。ならば何故縁を切った》


「...見えてしまった、から」


《見えた?其れなら以前も聞いたことがあるぞ。16代前だったか、思わず切ってしまったと告げた時は肝を冷やしたがな》


「...」


《吾は確かに仮想怨霊の一端。だがな零士よ、時に貴様を見守った存在であり、人間を見計らう妖でもある。其の事が他の妖とは違えど、吾はそうであると信じ、現在迄存在している。》


「...餓者髑髏」


《聞け、零士よ。貴様が切ったのは紛れも無い【死との縁】他ならん。繋がれていた筈の、況してや人間に訪れる不全の物を切るのは理から外れるも同然だ》


「...ならば、どうすれば」


《さあな、吾に其れは分からぬ。只、繋げるしか無かろう。其れが何の様な縁で有っても。貴様が見初めた人間ならば、必ず人間の理に収まる》


「...うん」


《気を落とすな、零士よ。過ぎた事は変えられはせん。ならば今を如何すべきか。何時の世も人間はそうしてきたのだから》


「...ありがとう、餓者髑髏」


《礼等要らぬ。疾う繋げて来い》


「...わかった」


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